先日、イギリスのAmazonで駄菓子6種類セットを買いました。イギリスの食べ物というだけでもリスキーなのに、なぜそんな危険な真似をしたのかというと、話は私がFreddoというお菓子を知ったところから始まります。
インフレが止まらないチョコバー Freddo
Freddoとはイギリスの子供たちが大好きなカエルのキャラクターが目印のチョコバーです。味というよりも、年々値段が上がっていくことで有名な、うまい棒的なポジションのお菓子です。
イギリス人はこのFreddoの話題になると「私が子供の頃はこのくらいの値段なのに今こんなにすんの信じられる???」と愚痴って楽しめるということで、今いくらなんだろうかと思って探してみました。
90年代生まれくらいのイギリス人に聞いてみたところ、たしか1つ10ペンスくらいと言っていたと思いますが、私が見つけられたのは5個入りで1ポンドのものだけでした。単純に1つ20ペンスなので上がってはいますが、今はもうばらでは売っていないのかもしれません。
味は極めて普通のチョコレートです。駄菓子屋で売っているコインチョコのような、逆にこんなにアイデンティティ出さないの難しくない?という普通のチョコの味ですが、めっちゃ甘いです。個人的にはけっこう好きでした。
ちなみに私はこれをフレッドと読んでいましたが、イギリス人の発音を聞く限りどっちかというとフレドーって感じです。
職場のイギリス人とそんな感じでFreddoの話になったときに「他におすすめのお菓子ある?」と聞いてみたところ、ブラックジャックがおすすめだと教えてもらいました。
しかしネットで『イギリス ブラックジャック お菓子』と検索すると、フラップジャックというお菓子しか出ません。そこで後日改めて聞いてみました。
「この前おすすめのお菓子ブラックジャックって言ってたけど、あれフラップジャックのことでしょ」
「いや違うまじでブラックジャック」
「うちらの職場がカジノだからふざけてブラックジャックって言ったんじゃなくて?」
「ガチであるよ探してみ?」
「検索したけどフラップジャックしか出てこない」
「古いお菓子だから今売ってないかも…でもブラックジャックだから!」
という会話があり、半信半疑でAmazonを開いてみると、ちゃんとありましたブラックジャック。しかしスーパーなどでは見つけることができませんでした。このお菓子を教えてくれたイギリス人は孫もいるくらいの年齢なので、今はもう実際の店舗での販売は中止しているのかもしれません。
Amazonで最初に見つけたのは500グラムで2000円、といった大容量のものが多く、口に合うかわからない駄菓子が500グラム届くのも困りますし、ちょっと食べてみたいだけなのに2000円払うのも嫌です。
そこで見つけたのがイギリスの駄菓子6種類詰め合わせオールドファッションセットです!
これなら色んなお菓子ちょっとずつ食べられますし、値段も1200円くらいだったので、1個200円です。せっかくなので全部食べた感想を発表します。
イギリスの駄菓子の味の感想
Black Jack
まずはブラックジャックから。ハイチュウのような感じの包みを開けると真っ黒でした。すでに嫌な予感です。欧米で黒いお菓子を見たらたいてい嫌な予感がよぎるものです。
実際に食べてみると、歯磨き粉に甘みと薬草臭さを加えたような味で、私はもう大人なので「良薬は口に苦しっていうから頑張ってのもうね」って言われたらギリギリ我慢して口に入れられるくらいの味です。子供だったらのたうち回って嫌がります。これが体にいいとか特にない駄菓子というので驚きです。
黒いお菓子といえば海外のまずいお菓子選手権優勝候補のリコリスよな、と勘の良い方は気づくかもしれません。私もこれリコリスじゃない?って涙目で聞きましたが、イギリス人は「アニスだよ」って言ってました。どちらも同じような草です。
私は1つで限界だったので、職場の別のイギリス人に全部食べてもらいました。食べていただいてこんなこと思うのは申し訳ないのですが、嫌がるそぶりもなくどんどんと食べていく様子に、正直イギリス人味覚バグってるのでは?と思いましたが、別のイギリス人は吐き出していたので個人差があるようです。
Fruit Salad
フルーツサラダも、ブラックジャックと同じように食感はハイチュウやキャラメルに近いです。こちらは普通に甘いので全然食べられますが、美味しいかというとそうでもないです。すみません。
Refreshers
こいつはラムネです。味は人工的なフルーツっぽいというか、駄菓子屋って感じの味です。しかし今回食べた中でどれかを一生食べ続けろと言われたら、私はこれを選びます。
Wham
青い包みを剥くとピンクのチューイングガムが出てきました。変な薬草臭さなどはないものの、着色料のような科学的な甘さで歯が溶けそうでした。ブラックジャックについできつかったです。
Sherbet fountain
シャーベットというとアイスをイメージしがちですが、イギリスでシャーベットというと粉状のキャンディのことみたいです。粉砂糖のような形状で、味は甘酸っぱいです。水に溶かすとジュースになる粉末のジュースの素って感じでしょうか。
こんな感じでシャーベットの入った筒にリコリス(笑)でできたグミのようなものがぶっ刺さっています。中が空洞になっていて「先端を齧って穴をあけたらストローになるからそれで中のシャーベットを飲むんだよ」と教えてもらいました。無理でした。
断腸の思いでリコリスを噛んだというのに全然吸えませんでした。シャーベットはけっこう美味しかったですがリコリスが本当にリコリスだったのでそちらを食べるのは不可能でした。
そして容器の形状がほぼシーシャなので、パッケージをむいて持ってたら3人くらいに「シーシャ吸うの!?」って驚かれました。
Dip dab
これは上記で紹介したシャーベットにいちごのキャンディをつけて食べるようで、普通に美味しそうで楽しみにしていたのですが、職場の休憩室に置いておいたら無くなってたので検証できませんでした。無念。またいつか機会があったら出会いたいものです。もう1度買って食べようというパッションは今のところありません。
Fudge
これはAmazon駄菓子セットに入ってたものではないのですが、私がイギリスのお菓子に興味があると聞いて同僚がくれたチョコレートです。
これまでで1番甘かったかもしれません。これは紅茶がすすむ訳だぜって感じです。最初は普通に食べてましたが、あまりに甘いので、最終的に一口噛んで口の中でしばらく転がしていました。
本当にキャラメルの長いやつって感じで食べられます。そう考えるとコスパがいいなって思いました。
Jaffa Cakes
これはあまりにも美味しくないお菓子ばっかり食べてるのを見かねてか、これ食べなよって同僚にもらったケーキです。イギリス人に愛されているお菓子で、見た目はビスケットですが柔らかく、食感はチョコパイに近いです。中にオレンジのジェリーが入っていて美味しいです。
余談ですが、こいつはビスケットかケーキかで昔裁判になって、見事ケーキという認識を勝ち取ったという話がありました。ビスケットにはVATという贅沢品にかかるような税金がかかってしまうのですが、ケーキは食品なので税金がかからないからです。
ビスケットよりケーキのほうが贅沢品じゃね?と思わなくもないのですが、イギリス人には紅茶とケーキでのティータイムは必須とかそんな感じですかね。知らんけど。
個人的にはケーキだと主張する際に「ビスケットは時間が経つとふやけるけどケーキは固くなる!ジャファケーキも固くなる!」っていう理論を持ってきたのが好きです。
イギリスには美味しいお菓子が多い!
誤解しないでいただきたいのが、別にイギリスのお菓子はまずいと下げたい訳ではないのです。個人的にイギリスの料理は口に合わないことが多いですが、焼き菓子系はめっちゃ美味しいものもたくさんあります。
今回は、今は売っていない昔ながらのお菓子を1回は食べてみたいなーと思って食べたものの感想なので、そもそも万人受けするものではなかったのです。あと大体犯人はリコリスです。
そしてこれらは全て個人的な感想なので、外国で黒々としたお菓子を見つけた際は怖がらずに近寄ってみてください。人によってはすごく好みな味だという可能性もあります。可能性は。