座ると死ぬぜ〜バズビーズチェア〜

Uncategorized

 こんにちは。10年越しにヘタリアの沼に落ちたオタクです。英国領の女になりました。というわけで、今回はロンドンから日帰りで『You sit and die』座ると死ぬ呪われた椅子、バズビーズチェアを見に行くことにしました。

バスビーズチェアとは?

 1702年にイギリスでバズビーという男が義理の父親を殺して死刑になったのですが、その男が生前よく座っていた椅子がBusby Stoop Inn (バズビー・ストゥープ・イン)というパブにありました。しかしバズビーの死刑の後、あまりにもその椅子に座るやつみんな死んでいくので、バズビーの呪いだと恐れられるようになり、パブ側も流石にやばくね?と思いサースク博物館に寄贈しました。誰も座らせないように!という条件だったので、博物館では壁にかけられて展示されています。 

ヘタリア好きは皆知っている

 この椅子はバズビー・ストゥープ・チェアとも呼ばれ、普通にイギリスあるあるのオカルト的な代物なのですが、私はこれをヘタリアという作品で知りました。最推しであるイギリスさんが持っていた大英帝国が誇る最強の武器で、彼のキャラクターソングの中にもよく出てくるので、これはオタクとして見に行かねばと、ロンドンから片道350kmの道のりを電車に揺られて向かったわけです。いわば聖地巡礼です。

どこにある?

 2024年6月現在、バズビーズチェアはイングランド北部の街、Thirsk(サースク)にあります。ロンドンから電車で2時間くらいです。

https://maps.app.goo.gl/rJfJHgguvbor8H7u7

 近くにはハリーポッターのダイアゴン横丁のモデルになったというシャンブルズ通りがあるYork(ヨーク)という街があるのですが、そこと比べると観光地としてはだいぶマイナーかなという印象です。

博物館の営業時間

 ここで気をつけないといけないのが、博物館の営業時間です。この博物館は水曜日の午後日曜日はお休みで、時間も10時30分から15時30分までしか開いていません。

 しかも冬季はお休みしているらしく、メールで聞いてみたところ、2024年の11月2日から2025年の3月末まではお休みだと言われました。

 あまりきちんと営業時間が決まっているわけではなさそうなので、行く時はサースク博物館のホームページで確認してからの方がよさそうです。

http://www.thirskmuseum.org/

 私は都合上バンクホリデー(祝日)にいくことにしましたが、閉まっている可能性もあるなと思い電話で確認したところ、普通に営業しているとのことでした。ラッキーです。

ロンドンからサースクへ

 ロンドンのKings Cross(キングスクロス)駅からThirsk(サースク)駅への直行便が出ていたので、TrainPalというアプリでチケットを買いました。レイルカードの割引で30%オフになったので、往復で£38.45です。

 電車で私の指定席に座ってたおじさんが別の席に移動した後、そこでも別の人に「ここ俺の席だよ」って言われてたので、これ無賃乗車説?という出来事もありました。ヨーロッパ全体そうですが、あまりきっちりとチケットを確認していなさそうな雰囲気で大丈夫なのでしょうか…。

 席の前のQRコードで電車の運行状況をみたり、飲み物を注文したりできるようです。多少遅れましたが、サースクに無事到着です。

 ホームは2つのみで比較的小さな駅でした。急行の列車が定期的に走り抜けていきます。

 バスもあるようなのですが、Googleマップが徒歩を推奨していたので歩くことにしました。2kmちょっとで、徒歩およそ30分です。

 歩いている途中でバス停を見つけました。まじで全然バス来ないですね!着いた時間によっては乗るのもアリかもしれないです。

 途中に競馬場などもありました。イングランドらしいぐずついた天気の中を、推しの歌を聴きながら歩きます。座ると死ぬぜ!バズビーズチェア!

いよいよサースク博物館へ

 中に入ると受付がありますが、特に手続きもなく「バズビーズチェアみに来ました!」というとパンフレットをくれました。そして展示室に入ってすぐ

 ありました!バズビーズチェアです!ネットで得た情報によると写真撮影禁止とありましたが、聞いてみたら自由に写真を撮っても大丈夫だということだったので、喜び勇んで写真を撮りまくりました。

 座れないように高いところに展示していると聞いていましたが、意外と低い…。背の高い人がちょっと頑張れば座れそうなレベルです。座りませんが。ちなみに触るのも禁止です。

 他にも色々展示されている部屋がいくつかあります。博物館の人によると、昔はこのキッチンの左奥の部分に椅子を飾っていたそうです。今は別の部屋に大きく飾ってあるので、バズビーズチェアも出世したものです。

 2階にも部屋があり色々な展示物を見ることができますが、そんなに広くないので私の場合は全部ゆっくりみても30分から1時間くらいで終わりました。

 帰る前に受付でVisitors Bookに名前とどこから来たのかを記帳し、入場料がない代わりに気持ちで寄付をして帰ります。みた感じ1-5ポンドくらいが相場かな?と思いましたが、私は推しに課金する気持ちなのでとりあえず10ポンドほどお布施してきました。

「あらこんなにいいの?ありがとう」
「バズビーズチェア見られて本当に嬉しいので!ありがとうございました!」
「この椅子にどういった価値を見出したの?(直訳)」

 的なことを聞かれたので、英語版のヘタリアの動画を見せるかどうか迷いに迷い…結局、「日本のアニメで出てきて有名なんです!」と言うにとどめました。
 推定イングランド人のご年配の方に『イギリスがアメリカを呪おうとしたけどロシアに呪いを弾かれました』というストーリーはなんというか…微妙じゃね?と思い、常に布教する機会を伺っているオタクの悪い癖はいったん封印です。

 受付のご婦人は、バズビーズチェアに関する本を見せてくれたり「昨日ちょうど16年前にも来てたBusby and meって本を書いてた人が来てのよ」ってお話してくれたりバズビーズチェアがあったパブの場所を丁寧に教えてくれたりと、とてもいい人でした!

博物館以外の見どころは?

 お目当てのバズビーズチェアの他、主な観光名所は

  • マーケットプレイス
  • 時計塔
  • ツーリストインフォメーションデスク
  • セントメアリー教会
  • ジェイムズ・ヘリオット記念館

    などがあります。

マーケットプレイス周辺

 マーケットプレイス周辺にはお店などが色々集中しています。特に食べ物系のお店が多く集中しているので、食事処を見つけるならこのあたりが良さそうです。

 時計台もすぐ隣、というかほぼ同じ場所にあります。

 インフォメーションデスクもすぐ近くですが、中はお土産とガイドブックのようなものがたくさん売っていて、普通のお店のようでした。私が行った時は混んでいたからかお会計しかしていませんでしたが、通常時は見どころなど教えてくれるのかもしれません。わかりませんが。
 公衆トイレも近くにあります。無料でみんな使えるので便利です。

 お腹すいたので時計塔の前にあるこちらのお店でご飯を食べることにしました。2階がレストランになっています。

 ミルクシェーキとフィッシュアンドチップスです。ミルクシェーキはペットボトルか…と思いましたがおいしかったです。フィッシュ&チップスはなんというか、不味くはないといった感じです。
 しかしこれは私の味の好みの問題で、フィッシュ&チップス業界の中ではだいぶおいしい方だと思います。
 いくつか食べた感じ、衣が多くて魚が油でべちゃっとしているのがフィッシュ&チップスの特徴なようですが、私はそれがちょっと苦手です。じゃあなんで頼んだんだよって話なのですが、今まで食べたものたちがそうなだけで、もしかしたら本当においしいフィッシュ&チップスに出会えるのではないかという淡い期待があったのです。
 結果は残念でしたが、しかし今までの中ではダントツでサクサクしていました。フィッシュ&チップスがそもそも好きな方にはおすすめです!お値段はシェーキとあわせて16ポンドほどです。

 せっかくなので下で飲み物をテイクアウトしてみました。ブルーラズベリー味です。失敗です。おいしくないタイプの駄菓子のような味です。2口ほどでギブアップでした。なぜ大きい方のカップにしてしまったのか…しかしこれは完全に私が悪いです。レモンとか無難なのもあったのにあえてデカい方のカップでリスクを背負った私以外誰も悪くありません。


 そしてマーケットプレイスで買った焼き菓子たちも実は全然美味しくありませんでした…食べ物系は全戦全敗です。しかしこれは誰が悪いという話ではありません。私の舌がノースヨークシャーに向いていなかっただけなのです。これはこれでイギリスって感じでいい思い出になりました。

セントメアリー教会

 少し歩いたところにあるのはセントメアリー教会です。

 

 とても荘厳なのですが、なぜかおばあちゃんちの部屋の中を想起させるような田舎っぽい穏やかさがあります。ステンドグラスも綺麗でしたし、無料で見られるのでおすすめです。

 教会の横の墓地が、映画のようでクールです。

ザ・ワールド・オブ・ジェイムズ・ヘリオット

 ドクター・ヘリオット先生シリーズの著者で、獣医のジェイムズ・ヘリオット先生の記念館です。私は著作を知らないので入りませんでしたが、大人8.5ポンド、5-16歳までは5ポンドでチケットが買えるようです。

World of James Herriot - Multi award winning visitor attraction
The World of James Herriot award winning visitor attraction in Thirsk, North Yorkshire. Are you a fan of All Creatures G...

バズビーズチェアのあったパブの現在

 サースクはとても小さな街なので、ランチの時間を入れてもおよそ3時間でやることがなくなってしまいました。
 博物館で得た情報によると、バズビーズ・チェアのあった『バズビー・ストゥープ・イン』というパブは今はThe Jailur Spiceというインド料理のレストランになっているということなので、せっかくなので行ってみることにしました。

「遠いからマーケットプレイスからバスに乗りなさい」という言葉通り、マーケットプレイス前のバス停でしばらく待っていると、バスがやってきました。153番のバスに乗りましたが、本当にバスの本数は少ないので注意が必要です。
 Market PlaceからBusby Stoop Innまでと運転手さんにお願いして、2ポンドでバスに乗ることができました。現金のみだそうで、5ポンドしか持っていなかったのでギリギリでした。

 バスに天窓があって可愛いです。雨が降っていなければ言うことなしです。
 田舎道だからか、バスも乗用車もびっくりするほどスピードを出していたのでものすごく揺れます。10分もしないで到着です。

 ありました!が、このレストランが開くのは17時半からとのこと。事前に調べたところ近くにカフェがありそうだったのでそこで待とうと思っていましたが、行ってみるとそこはカフェではなくガソリンスタンド。コーヒーも売っていましたが、座って待てるようなところではありません。
 雨も降ってきているし普通にクソ寒いです。バスも1、2時間に1本しか通りません。レストランが開くまではおよそ2時間半…詰みました。
 レストランから歩いて駅まで40分、そこからさらに歩いて街まで30分、といった位置関係ですので、もうレストランでご飯を食べるのはやめて歩いて駅まで行ってしまうことにしました。お腹すいてませんし。

 中はパブの面影なく普通のレストランのようですし、建物を見られて満足なのでこれで聖地巡礼は終わりとして駅に戻ります。雨の中、土の上を歩いて靴下までびちゃびちゃになりましたが、40分かけて駅まで歩きます。わりと失敗しました。

サースク駅周辺

 電車まで時間があったので駅のチケットオフィスで待っていましたが、17時半で閉まるらしく外に出されてしまいました。6月半ばながら、濡れた靴下から体温を奪われ途方に暮れたので、駅の近くにあるパブに行くことにしました。

 イングランド全開の内装がかわいいです。パブなのにお腹すいていなくて寒かったので「何か温かいものをもらえませんか…?」と懇願し、困惑されながらも温かい紅茶とビスケットを出してもらえました。メニューになかったのでちょっとびびってましたが、お値段3ポンドでした。助かった。

まとめ

 個人的にはバズビーズ・チェアが見られて写真も撮れたので満足です。「ヘタリアで見たのとデザイン違うんだわーい!」とはしゃげただけで行った甲斐がありました。
 街が思ったより小さく時間を持て余してしまったことと、逆に他の街に行くほどの時間を確保できなかったのが反省点でしたが、またこの辺りに来ることがあったら今度はYorkにも行ってみたいですね。

 今度はパンジャンドラムを探しに行きたいです。座ると死ぬぜ!バズビーズ・チェア!

タイトルとURLをコピーしました