ロンドンから日帰りドーヴァー城〜ドーヴァーって響きだけでテンション上がるオタク〜

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2024年9月8日(日)

 最近Netflixで『イギリスの城に隠された秘密』でドーヴァー城のことを知り、行ってみたくなったので休日にロンドンから日帰りで観光してくることにしました。

ドーヴァー城とは

 ドーヴァー城は、ドーヴァー海峡に面する崖に建つ中世の城です。
 ドーヴァー海峡というのはフランスとイギリスの間の海峡です。イギリスは島国なので戦いにおいて基本は守りが強いのですが、フランスとはドーヴァー海峡を挟んで34kmしか離れていないので、ヨーロッパの他の国がイギリスを攻めるとしたらここから上陸するのが最短で簡単なのです。

 地図で言うとこちら⬇️

https://maps.app.goo.gl/XRky6UrYdZuEiEZz6

 イギリスは昔からフランスをはじめとするヨーロッパ諸国とバキバキに喧嘩してきているので、ヨーロッパから1番近い場所を守るドーヴァー城は「イングランドの鍵」と呼ばれるほど重要なのも納得です。

営業時間

 時期にもよりますが、だいたい午前10時から午後5時くらいまで開いています。地下のトンネルのうち2つはツアー形式となっていて、閉まる1時間くらい前に最終ツアーが終わってしまうものもあるので注意が必要です。

所要時間

 私は11時から17時くらいまでガッツリ6時間ほどいました。比較的ゆっくり過ごしたとはいえ、最後の方がちょっと時間が足りなくなったくらいなので、普通に全部観光しようと思ったら6、7時間くらい必要なボリュームです。
 メインのタワーとトンネルだけさくっと見て帰る場合は3時間くらいでも見終われるくらいでしょうか。

旅行費用

交通費

 まず行き方ですが、長距離バスを見つけることができなかったので、電車で行くことにしました。私はイギリス国内で電車を探すときはTrainPalというアプリを使っています。今のところこれが便利で最安値が探せると思っています。

https://www.mytrainpal.com/

 ロンドン市内からDover Prioryまでの電車の料金は往復15.85ポンドでした。3000円くらいです。往復230kmほどの距離だと考えると、そこそこ安いチケットが取れたと思います。

チケット代

 公式ページで見たところ、2024年9月の時点でのチケット代は平日25ポンド土日28.5ポンドでした。
https://www.english-heritage.org.uk/visit/places/dover-castle/?gad_source=1&gclid=CjwKCAjwufq2BhAmEiwAnZqw8kDd0IHJgoY8VxzsV6EfbnJLs0nH3SoEHF0i6Vysn5wZK_B_5pURtBoCqTQQAvD_BwE&gclsrc=aw.ds

 オンラインで予約すると15%引きと書いてありましたし、とりあえず予約してから行くことにします。他の予約サイトと値段を比べた結果あまり値段に違いはなさそうでしたが、今回はTrip.comから予約をしました。個人的に使ってない割引があったからです。だいたい5000円くらいになりました。

ロンドンからの行き方

 ロンドンのどの駅からかは指定せず最安値を検索して買った結果、ロンドンのCannon StreetからDover Prioryに向かうコースになったので、まずはCannon Streetを目指します。

 朝の7時ちょっと前に着いたら閉まってました。入口ここであってるかな?と不安になりましたが、すぐに開けてくれました。7時に開くことになっているようです。日曜日なので少し遅いのかもしれません。

 改札にQRコードリーダーがついていたので、電子チケットをかざして通ります。

 30分ほどホームで時間を潰していましたが、テムズ川がなかなか綺麗な景色です。雷雨がすごかったですが、晴れてよかったです。電車の時間は

7時32分 London Cannon Street
8時52分 Faversham
8時57分 Faversham
9時40分 Dover Priory

 となっており、2時間ちょっと電車に乗ります。乗り換えが1回あり、電車がちょっと遅れたので危なかったですが、なんとか間に合いました。

 時間通り到着です。

 待合室もトイレもあってちゃんとした駅でよかったです。トイレはちょっと早めに閉まるようなので注意ですね。

 ドーヴァー城まではバスでも行けるようですが、街の散策がてら歩いて行くことにしました。徒歩30分くらいですし余裕だろうと歩き出しましたが、すぐに後悔することとなります。

 思ったより坂道です。そりゃあそうです。ホワイトクリフという崖の上にそびえたっていますし、海からの敵から守るんですからそりゃあ高いところにあるに決まっています。バカでもわかります。悔しいです。
 バスにすればよかった…と思いながら歩いていると、バス停が目に止まります。

 日曜日は1時間に1本。バスは行ったばかり。うーん歩くか!としゃーなし歩いて行くと、早くも第一関門迷いの看板です。

 右の道に行くと城がありそうな雰囲気を醸し出しています。しかしグーグル先生はこのまま登れと言っていますし、城は上にあるだろうからグーグル先生を信じるべきです。しかし無視もできません。もうけっこう疲れているのでここで間違えて余計に歩く羽目になるのだけは最悪です。

 この看板を見るに車で行く人だけ右なのかな?と思っていると、前から男女が歩いてきたので聞いてみることにしました。2人の間でちょっと意見が割れていましたが、最終的に登った方がいいという結論になったので、圧倒的感謝を捧げてから2人を信じて登ってみることにしました。

 しばらくするとこの看板が…!やりました!ありがとう親切な男女とグーグル先生!あとはこの看板の通り登って行ったら到着です!なんやかんや40分くらいかかりました。

ドーヴァー城の見どころとまわり方

チケットオフィス

 私は着いてからしばらく適当に歩いて時間と体力を浪費してしまったのですが、とりあえずチケットオフィスでチケットを手に入れましょう。そこで地図ももらえます。

 地図でいうと1がチケットオフィスです。車で来た場合は駐車場のすぐ隣なので簡単ですが、バス、もしくは徒歩で来た場合は23のConstable’s Gateというところに着くので、そこから入って右側、The Great TowerやCar parksの方に向かって上がっていきましょう。海が見える方です。

 しばらく上がって行くと、チケットオフィスにたどり着くので、そこでチケットを購入します。すでにオンラインで購入してある人もここで許可証にかえてもらいます。

ロマンファロスと教会

 チケットオフィスから上に歩いて行くと、城に向かう途中で と 2のRoman Pharos(ロマンファロス3のChurch of St Mary-in-Castro(教会)があります。地図で見るとちょっと離れていそうですが、実際はすぐ真横にあります。写真の右がロマンファロスで、左が教会です。
 ロマンファロスは、ローマ時代に建てられた灯台です。約2000年前の建築物で、現存するローマの灯台は3つしかないのですが、そのうちの1つだそうです。

グレートタワー

 そしていよいよ7のHenry II’s Great Tower Room(ヘンリー2世のグレートタワールーム)に入っていきます。

 ドーヴァー城の観光の中心はこのグレートタワーです。城壁に囲まれた、旗が立っている建物です。中は

  • 王の広間
  • 王の寝室
  • 屋上
  • キッチン
  • ダイニングホール

 などがあります。

 私が気になっていたのは王の広間から続く狭い通路を通ってたどり着く懺悔室です。ヘンリー2世はトマス・ベケットという人と仲が良かったのですが、ベケットがカンタベリーの大司教になってから険悪になり、最終的に殺しちゃいます。そのことをこの部屋で懺悔して許しを乞うていたと動画で見たので、気になっていたのです。

 そして懺悔室を見ながらうろうろとしていると、急に中世の格好をした人の劇がはじまりました。あとで知ったのですが、1時間ごとに場所を変えて10分程度の劇が行われるようです。観客が参加できる挙手制のクイズのようなものもあり、楽しかったのでつい全部参加してしまいました。

 ちなみに、最後の午後2時30分からのアーチェリーコンテストは本来Palace Greenで行われるものらしいですが、その日は広間で行われました。天気が悪かったからだそうです。
 英語なので全ては聞き取れませんでしたが、中世の雰囲気だけでも楽しかったので、時間があったら参加してみるのをおすすめします。

カフェ

 地図上4のカフェは、劇を待っている間に利用しました。チャイラテ3.30ポンドです。内装が可愛かったです。、雨が降っていたので誰も利用していませんでしたが、外にテーブルもありました。

ギフトショップ

 ギフトショップも地図上の4にあり、カフェのお隣です。せっかくなのでTシャツを買いました。25ポンドです。個人的に重みのある中世の牢獄の鍵束のようなものもほしかったのですが「人生で使うタイミングなくない?」と私の冷静な部分が囁いたのでそちらは我慢できました。

ミュージアム

 地図上6にあるミュージアムはグレートタワーの出口のすぐそばにあり、無料で入れます。正式名称はPrincess of Wales’s Royal Regiment and Queen’s Regiment Museumです。長いですね。
 ミュージアムの出口の前にあった1ポンドで出来るシューティングゲームが楽しそうでした。

アーサーズホール

 地図上5のアーサーズホールもミュージアムと同じくグレートタワーのすぐ近くにあります。ヘンリー2世の孫が1240年に建てた古い建物らしいですが、今はそんな面影もなく普通の展示室といった感じです。
 中で見た家系図は面白かったです。ヘンリー2世めっちゃ子供多いなと思いました(小並感)

遊び場

 地図上10の遊び場(Siege Play Area)は、グレートタワーの入ってきた方の反対側から出て階段を降りてすぐのところにあります。
 街から徒歩で登ってきて門をくぐり、右の海側ではなくすぐ左に行ってもここに着きます。
 日曜日ということで家族連れが多かったのもあり、子供たちが遊具で遊んでいました。投石器が遊具として利用されているのが素晴らしかったです。私も人目を盗んでぶら下がってきました。楽しかったです。

3つのトンネル

 ドーヴァー城には3つのトンネルがあり、それぞれ

  • Spur Tunnels(スパートンネル)
  • Cliff Casemates(クリフケースメイツ)
  • Annexe Level(アネクスレベル)

 と呼ばれています。

スパートンネル

 子供の遊び場の隣、地図上8がスパートンネル(The Spur Tunnels)の入り口です。橋の下の空間が入り口になっています。 
 昔フランス軍が城の地下を掘って攻めてきた時、「この城、下から掘られると弱くない?じゃあ先に自分たちで掘っとこ」となって作られたようです。

 ここは入り口に係の人はいますが、自分で勝手に見てまわってもいいし写真を撮ってもいいタイプの自由なトンネルでした。
 個人的には1番楽しかったのはこのトンネルですが、暗めですしちょっと恐ろしげな効果音もあって脅かされないお化け屋敷のような雰囲気があるので、小さい子は多少怖いかもしれません

クリフケースメイツ

 2つめのトンネルのクリフケースメイツの入口は地図上15にあります。ここでダイナモ作戦の指揮がとられていたということで有名です。
 ダイナモ作戦とは、第二次世界大戦の最中にイギリス軍がドイツ軍に追い詰められてやばくなった時に、なるべく船で兵士を救出しようと頑張って、結果34万人も助けることに成功したという有名な作戦です。
 このトンネルに入るのはツアー制で、時間が決まっているので入り口でちょっと待ちました。だいたい50分くらいのツアーで、私が行った時は35分くらい動画を見たり係の人に説明してもらいながら中を見学し、残り15分くらいは好きに見てくれという感じでした。
 当時の部屋の再現などもあり、歴史が好きな人は楽しいと思いますが、私は英語があまり聞き取れずざっくりとしか理解できませんでした。あと中での飲食と写真撮影は禁止だそうです。

 そしてこのツアーはドーヴァー城が閉まる1時間前には締め切ってしまうので、見学したい人は早めに行くことをおすすめします。

アネクスレベル

 3つ目のトンネル、アネクスレベルの入り口は地図上16にあり、クリフケースメイツの真横にあります。
 このトンネルもツアー制なので、入り口で多少待つ必要があります。ツアーの時間は20分ほどで、こちらもドーヴァー城が閉まる1時間前には締め切られるそうで、実は私は時間がなくて参加できませんでした。
 地下にある当時の病院の再現が見られるということで楽しみにしていたのですが、無念です。グレートタワーでのツアーを見ていたら15時近くになってしまい、そこから16時までにトンネル3つは無理でした。

展望台

 展望台は地図上13にあります。本当はFire Command Post and Port War Signal Stationという名前の、戦争で活躍した場所の再現なのですが、現在は観光客が海を一望する展望台として使われています。
 途中から土砂降りでしたが、午前中に一瞬天気が良かった隙をついて写真を撮ってきました。白い崖、ホワイトクリフも遠目に見ることができました。
 天気が良いとフランスも見ることもできるらしいです。私は「あの影のようなものは…フランスか?」ぐらいの感じしかわかりませんでしたが。

 海側は景色が良いのでお天気が良い日であればゆっくりと歩きながらチケットオフィスまで行くとけっこう気持ちいいです。

おまけの見どころ

 私が実際みてテンションをあげた所で、メインの建物ではないところが2つあります。1つめはNetflixの『イギリスの城に隠された秘密』の中で出てきた『1000人の兵士が12分で海岸まで辿り着ける階段』です。
 海岸から攻めてきたやつらを迎え撃つのに、普通に向かうと時間がかかりすぎるのが問題だということで、ショートカットとしてこの階段が設計されました。なるべく滑らないように螺旋状になっているそうです。チケットオフィスに向かう途中の海側の道にありました。

 もう1つはこの狭間(さま)です。日本の城でもそうですが、こちら側の攻撃する方は広く、相手側は狭くなっていて、敵に撃たれづらく撃ちやすい形状になっています。 
 私が見た限りは全てこの形になっていたので、やはり戦うための城なのだなと思って見ていて面白かったです。

ホワイトホース

 城から駅へとまた徒歩で帰る途中、The White Horseというパブに立ち寄りました。これも同じく『イギリスの城に隠された秘密』で出てきたのですが、壁一面にしてあるサインは、泳いでドーヴァー海峡を渡ってきた人たちのものだそうです。あますことなく埋め尽くされていましたが、店主の人、心広いですね。日本語で書かれていたものもありました。
 海沿いの街なのでフィッシュ&チップスでも食べたかったのですが、私が到着した17時過ぎの時点でキッチンが開いていないので飲み物しか出せないと言われ、パブなのにお酒も飲めないのでオレンジジュースをいただきました。1杯2.80ポンドです。

まとめ

 なかなかに天気の悪い1日でしたが、色々と見ることができて満足です。私は1日がっつり使って観光しましたが、もしカンタベリーと併せて1日で観光するちょっと急ぎ目のスケジュールであれば、見どころを絞って観光しなければなりません。その際は、

  • 2000年前のローマ人の灯台
  • ヘンリー2世のグレートタワー
  • 地下のスパートンネル
  • 海の見える展望台

 あとはツアー制の2つのトンネルをお好みで、というまわり方が良いと思います。

 ヘンリー2世とトマス・ベケットの関係、フランスとの戦い、ダイナモ作戦など、イギリスの歴史をざっくり頭に入れてから行くとより一層楽しめます。なんとなくで見るだけでも楽しいですが。

 ちなみに私が職場で「今度ドーヴァー城見に行くんだ!イングランドの鍵って言われててね!」とにわか知識でイギリス人に意気揚々と話していた時に、フランス人の同僚が「ドーヴァー城はフランスのだけどね」とぼそっと言っててめちゃくちゃ面白かったです。
 そもそもはローマ時代から要塞として使われていたものを今の形の城に整えたのはイングランドの王様だったヘンリー2世なのですが、彼はフランス出身でフランス語を話して自分でもフランス人だと名乗っていたようなので、そのことを言っていたのだと思われます。
 当たり前にイギリス人がそれに反論しつつ「ノルマンコンクエスト(フランスの貴族がイングランド王になったやつ)の時にイングランドは1度終わった」って言ってたのも大好きです。にこにこして聞いちゃいました。

 ロンドンに滞在する予定がある方は、余裕があったらぜひ足を伸ばしてドーヴァー城まで行ってみてください。

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